1歳児クラス、あるいは待機児童の問題を考慮して0歳児クラスから。保育園への入園が決まり、育休からの復職が具体的になってくる時期。出産後、ようやくお子さまとの生活リズムが整い始めた頃かもしれません。
久しぶりの仕事への緊張感や、家族みんなの新しい生活リズムをどう作っていくかという具体的な不安。それに加えて、なぜか言葉にしづらい、モヤモヤとした「さみしさ」を感じてはいませんか?
それはきっと、入園説明会に参加したり、園の楽しそうなイベントを知ったりして、「こんな素敵な体験が我が子を待っているんだ」と嬉しく思う半面、「今まで一日中一緒にいたこの子と、同じようには過ごせなくなる」という、自然で、そして深い愛情からくる「さみしさ」なのだと思います。
そのお気持ち、とてもよく分かります。
生まれてから今まで、すぐそばで見守ってきた我が子の成長。その瞬間瞬間に立ち会えなくなるかもしれない、と感じるお気持ちは当然です。
ただ、少しだけ視点を変えて、保育園だからこそできる体験について考えてみるのはどうでしょうか。
保育園には、温かい心で多くの子どもたちを育むプロである先生方がいます。天気の良い日には思いきり外で遊び、季節ごとの制作を楽しみ、多様な子どもたちの中で社会性を育む。ご家庭でこれら全てを毎日行うのは、本当に大変なことです。
例えば、絵の具を使った制作一つをとっても、準備や片付けを考えると、ご家庭で実践するには少し覚悟がいるかもしれません。保育園は、家庭ではなかなかできないような、質の高い様々な刺激に、お子さまが安全に触れられる絶好の機会の場なのです。
もちろん、だからといって、ご家庭での保育が劣っているということでは決してありません。3歳ごろまで、保護者の方と深く関わりながら過ごす時間も、お子さまの心の安定にとって、かけがえのない素晴らしい時間です。
どちらの選択が優れている、ということではありません。どちらも、お子さまを想う深い愛情からくる、尊い選択です。このコラムでは、復職のために保育園という選択をされた方が、前向きな気持ちになれるような側面に光を当てていきたいと思っています。
お子さまと離れている時間は、確かにさみしいかもしれません。しかし、その時間はお子さまにとって、健やかな成長を促す貴重な体験の時間になります。
家庭とは違う集団の中で、新しい刺激を受け、今まで見せなかったような表情や成長を見せてくれる瞬間が、きっと訪れるでしょう。連絡帳やお迎えの時に先生から聞く、我が家の「外での顔」。それは、保護者にとって、新たな喜びと発見に満ちています。
その時、離れる時間のさみしさが消えることはなくても、「保育園に通わせてよかった」という、誇らしく、胸が温かくなるような感覚も、きっと芽生えるはずです。
そうはいっても、新しい生活に慣れながら仕事と家事を両立し、お子さまの送迎をこなす毎日は、決して簡単なものではありません。周りのサポートがあっても、心が折れそうになる日もあるでしょう。
もし、入園や復職への不安がどうしても拭えなかったり、新しい生活の中でのお気持ちが混乱してしまったりした時は、「こんな些細なことで」などと思わずに、ぜひ当相談室にご相談ください。
お話を伺いながら、あなたの気持ちを整理し、解決の糸口を一緒に探すお手伝いをいたします。
当相談室「オンラインカウンセリング こころのもり」は、お子さまの発達と、それを支える保護者の方、両方のための相談室です。
言葉の育ち、集団生活でのお悩み、育児の中で感じるさまざまな想いを、どうぞお気軽にお話しください。