臨床心理士として、乳幼児健診の場で多くのお子さん、そしてお母さんたちと出会ってきました。 そこには、たくさんの親子がひっきりなしに訪れます。パワフルなお子さんを必死で追いかけるお母さん。大きな荷物を抱え、汗だくでお世話をするお母さん。常に30人ほどの親子がいる待合室は、活気と同時に、目に見えない緊張感にも包まれていました。
私がそこで強く感じていたのは、どのお母さんからも伝わってくる『子連れで移動することの、とてつもないハードルの高さ』でした。
健診の場で多くの親子と関わる中で、ある一つの現実に気づかされました。 それは、個別相談にまで足を運んでくださる方と、必須の健診だけを終えて急いで帰られる方がいらっしゃる、という事実です。
その違いは何だろう、と考えていた時、あるお母さんが漏らした一言が、私の心に深く突き刺さりました。 「どんなに育児に行き詰まっていても、子どもの生活リズムを調整して、ここまで来ること自体が難しいんです。今日は来られて、本当に良かった…」 この言葉を聞いて、確信しました。相談に来るための最後のエネルギーさえ残っていないお母さんたちのなかにも、支援を必要としている方は多いのかもしれない、と。
子育ては、予定通りに進まないことの連続です。日々の疲れが溜まる中で、我が子の安全に責任を負い続ける緊張感。この大変さを、たった一人で、あるいはパートナーと二人だけで抱えるのは、あまりにも過酷です。 私は、こうした経験から、保護者の方が心から安心できる場所にいながら、子どものリズムを最優先し、外出の準備も手間も一切なく、専門家と話せる環境こそが必要だと痛感しました。 オンライン相談は、その想いを実現できる、最高の形だと考えています。
来所できる余力があるお母さんも、その余裕が持てないお母さんも、同じように我が子を想い、日々を懸命に過ごしています。 当相談室での時間が、あなたが一人の人間として、心身共に健やかな状態で子育てに向き合えるための、ささやかなお手伝いになれば、これほど嬉しいことはありません。
当相談室「オンライン心理相談 こころのもり」は、お子さまの発達と、それを支える保護者の方、両方のための相談室です。
言葉の育ち、集団生活でのお悩み、育児の中で感じるさまざまな想いを、どうぞお気軽にお話しください。