「うちの子は言葉がゆっくりなのかな?」と感じる時、周りのお子さまと比べて焦ってしまうことがあるかもしれません。
特に、こちらからの問いかけに言葉で返答がないと、「もしかして理解できていないのでは?」と心配になりますよね。
でも、言葉での返答がないからといって、必ずしも理解ができていないわけではありません。
例えば、「あれ持ってきてね」と言うと、その通りに行動してくれることはありませんか?これは、言葉の意味を理解している証拠です。
「言葉でのやりとり」が成立するには、まず「相手の言葉を理解する力」、次に「自分の言葉にして伝える力」が必要です。お子さまは、まるで空っぽのボウルに言葉の知識を少しずつ貯めているかのように、日々言葉を吸収しています。このボウルがいっぱいになるまでは、うまく言葉にできないだけかもしれません。
「なぜうちの子は、沢山言葉を掛けているのになかなか言葉が出ないの?」と悩む方もいますが、人によって食べるスピードが違うように、言葉のボウルが満たされる速さもそれぞれ違います。だから、「言葉の理解が遅い」と感じても、積極的に話しかけたり、絵本の読み聞かせを続けたりすることが、言葉の知識を貯める一番の方法です。ある日突然、言葉があふれるように話し出す子もいます。その時、「この子のボウルがいっぱいになったんだな」と感じるでしょう。ボウルが満たされるのが遅くても、一度話し始めると、その後の言葉の習得が遅いとは限りません。
また、お子さま自身も、伝えたい気持ちはあっても、まだ言葉にできずにもどかしい思いをしているのかもしれません。
稀に、言葉を理解する力や伝える力が備わっていても、口や舌の構造、あるいは耳の聞こえが原因で言葉が出にくいケースもあります。心配な時は、専門家への相談も検討してみてください。
お子さまのペースを信じて、たくさんの言葉のシャワーを浴びせてあげましょう。
当相談室「オンライン心理相談 こころのもり」は、お子さまの発達と、それを支える保護者の方、両方のための相談室です。
言葉の育ち、集団生活でのお悩み、育児の中で感じるさまざまな想いを、どうぞお気軽にお話しください。